振袖着用時の正しい立ち振る舞い・マナーについて学ぼう!
せっかくの美しい振袖に袖を通す機会があるなら、立ち振る舞いも美しくありたいものです。和装には独自のマナーがありますが、決して敷居が高すぎるものではありません。そこで、この記事では振袖着用時における正しい立ち振る舞いやマナーについて解説します。この記事をきっかけに振袖への抵抗感を下げていただけると幸いです。
移動する際のマナー
ほとんどの方は日頃、洋装に身を包んで生活しています。とくにパンツルックを好まれる方は歩幅が大きくなりやすく、普段は小さな歩幅で歩くことを意識されていないでしょう。
しかし、和装は着用をすると歩幅が制限されます。和装時に洋装のような歩幅で歩いてしまうと、足元や帯などが崩れてしまうため注意が必要です。足元を1歩1歩ゆったりと歩を重ねて進むように心がけると、足元の着物がめくれあがったりせず、美しく歩くことができます。大股にならないよう、普段よりも大げさに小幅を意識するぐらいがちょうどよいでしょう。
座る時のマナー
和装に置いては歩く姿も大切ですが、座るときもマナーがあります。こちらも洋装時にはあまり意識しないものですが、和装の中でも袖の長い振袖はとくに意識を持つ必要があります。
振袖はご存じのとおり袖が長いため、まず椅子に座るときは利き手で両方の振袖の下部を持ち上げるように着席をするのが基本です。左手で、右手で、と指定がなされている場合もありますが、基本は利き手で捌けば美しく持てるので問題はありません。
着席後は椅子から垂れないように振袖を畳むようにひざ上に置きますが、食事をする際は汚さないようにテーブルマナーを心がけましょう。正座をする際もほぼ同様の手さばきになりますが、椅子と違い振袖は膝上に置かなくてもOKです。畳の上に両袖が自然に添えられているように広げれば美しい着物の所作になります。
立っている時のマナー
日本人の立ち姿は男女問わずに片方の足に重心をかける傾向があります。つい利き足にもたれるようにして立っていませんか。この姿はもちろん振袖着用時はNGです。
重心は体幹を意識して、スッキリと立つように意識をします。振袖はかわいらしい袖が特徴ですが、フリフリと振り上げ、大きく身体に擦るように歩くこともNGです。自然に揺れるからこそ美しいので、必要以上に着崩れを起こしそうな振り方にはならないように、手をすぼめるように歩くとよいでしょう。
着物のバッグを持つことで必要以上に手が遊ばなくなります。留袖とは異なり袖が長いため、ちょっとした動作で肘が見えてしまいますが、これは肌着が見えてしまうことを意味します。可憐な和装ですから肌着が見えないように、腕を挙げざるを得ない時は片方の上を添えるようにしてあげましょう。
車に乗る時のマナー
成人式や結婚式の機会に振袖に身を包む場合には、お車での移動も多いのではないでしょうか。車に乗るときにも振袖は意識を持つ必要があります。とくに振袖と車の相性はあまりよくなく、袖を挟んでドアを閉めてしまうトラブルが後を絶ちません。
すると、振袖が地面に触れたままになってしまうため振袖の汚損につながってしまいます。まずは袖を挟まないようにお尻から座席に腰掛けるように乗り、足を両足共に持ち上げるようにして座席に座りましょう。
その後、振袖を利き手で両方の袖を持ち上げるようにして乗り込み、ドアに挟まないように閉めます。車での移動時は帯が崩れやすいため、帯が座席シートに擦れないように浅めに腰掛けることが基本です。
なお、運転時には袖がハンドルやシートベルトに巻き込まれないように注意をする必要があり、運転向けのストール、カバーなどが販売されています。着物は条例によっては運転が厳しく制限されているエリアもあるので、草履など足元の装いも見直す必要があります。運転をされる場合には地域の条例をご確認の上行うようにしましょう。
食事中のマナー
最後の紹介するマナーは食事中のマナーです。和装や振袖を避けてしまう方の多くが、食事で汚してしまわないかと緊張することを理由に挙げています。しかし、大切な振袖を着て食事を嗜むことは大人への第一歩です。食事中のマナーは慣れもありますが、基本的にうどんやラーメンなど汁気の跳ね返りが多い食事は避ける、もしくはナプキンを用意して胸元もカバーをすることがおすすめです。
和装用のエプロンも販売されているので、気になる場合にはお手元に用意してからお出かけされるとよいでしょう。真っ白なエプロンよりも品があり、食事に慣れている印象も与えられます。また、振袖はついつい食事に集中すると袖がテーブル上に乗ってしまい、皿の上に着地してしまうことがあります。
テーブルの塩や砂糖に手を伸ばす、などの所作でうっかりやりがちな動作です。こうしたトラブルを避けるためにも、常日頃からテーブルマナーとして、テーブル上に手を大きく伸ばさないことを心がけることも大切です。とくに振袖をレンタルする際には、汚してしまうと高額のクリーニング代金が発生することがあります。うっかり汚さないためにも、大判のハンカチなどを持ち歩きしっかりと膝上をカバーして食事に臨むようにしましょう。
この記事では振袖を着る際には気になる立ち振る舞いやマナーについて詳しく解説しました。慣れない和装に戸惑うことも多いかもしれませんが、和装に慣れようと心がけるだけで所作は美しくなっていきます。とくに歩幅や食事のマナーなどは年齢を重ねてからも大切なものですので、住振袖の着用を機会にぜひマナーを身に付けていきましょう。